その昔、天国に行ってきたよ

ふるさとの、2月から3月の初め頃と言えば、「冬ごもりの最中だよ」と言ってクマ公の冬眠と重ねたり、豪雪・酷寒・除雪や屋根の雪下ろしなどで、重労働やいのちの危険を覚えたりと、マイナスイメージの方が多いが、長く生きていれば、時に、こんなにいいことがあるのかということもあるもんだよ。

1994年(平成6年)の2月終わりから3月初めにかけて、ひょんな事から、フロリダに行く機会を得た。ま、簡単に言えば、ある方のカバン持ちなんだけど。この前年は、米作が大不況。大騒ぎで、インディカ米というパサパサの米が輸入されて、カレーライスが大はやりで、フロリダに発つ前にも喰った記憶がある。

海外なんて初めて。それに英語なんてからっきしダメ、風俗習慣などそれ以上にわからん。

現地にファミリーがいることだけを頼りに、今思っても冷や汗しきりだけど、よくぞ行ったもんだと思うよ。

で、写真が出てきたので、見ればわかるけど、結果、天国のような3週間?だっけ?過ごしてきたよ。

<フロリダ沖に夕陽が沈む>夕陽が沈む前から、桟橋に大勢が集まって、バンド演奏を聴いたり、飲み食いしてその瞬間を待っている。

沈む瞬間に、みんながワーッと声を上げて、大きな拍手。スゲーみんな陽気。雰囲気で自分もその輪に入る。沖には大きな豪華客船が悠々と動いている。

生まれて初めてゴルフなる物も経験した。田んぼや畑で、鍬や鋤で土をかっぽじって生きてきたから、ちっちゃいボールをかっ飛ばすなんて、なんちゅう事ねぇベ、なんて、やってみたら、ホントなんちゅう事なく、地球ばっかりかっぽじっていた。田んぼするより手が痛かったよ。

ここは「避寒地」で、寒い地から、お金持ちの方々が、寒さ逃れできているから、今の時期料金アップしているとか。リタイア年(とし)以上の多分お年を召した人たちが、広い場内を、カートを引っ張りながら歩いて、健康的にゲームをしている姿が目について、すげぇなぁと。

<ワニ>「池ポチャのボールは拾うな!」の格言を聞く。なんと、ゴルフ場の池に「アリゲーター( ワニ ! )」がいて、喰われるかも、と。

しかし、ゴルフ場で印象深かったのは、あちらの方々のパワー。ドライバーなんて、オレの倍もかっ飛ばす。だから、すぐ追いつかれて順番を譲ったよ。そしたら、「サンキュー、ジェントルマン」だもんな。

そして、リスの姿だね。ヒトの近くに来ても逃げずに、チョロチョロしている。かわいかった。心が和んだね。


打ちっぱなしにも連れて行かれたけど、その規模にもビックリ。建物はなく、平地の丸いすり鉢状の場所で、芝にはスプリンクラーが散水している。打ったボールは底に転がって集まり、多分、機械で回収する仕組み。

その打ちっぱなし場のすぐ脇には、小さな飛行場があり、社用だか私用だかの小さなジェット機が離着陸していて、パイロットの姿、それも若い女性が制服を着て手を振る姿が、すぐそこに見える。空を見あげると、小さなセスナ機が何機もクルクルヒラヒラして空を舞っている。いやはや。

ここはKey West島のストリート、散策してお土産買ったり、飲食して楽しんだけど、結構恥ずかしい格好してるよ。これみんな借り物。この旅で、自分の性格や考え方が、ガラッと変わったね。今までの引っ込み思案・遠慮する性格・ヒトの後ろに隠れてヒト前に出ない、なんてのが、この後、どっかに吹っ飛んだね。

だって、みんなでワイワイガヤガヤして、その場・一日を目一杯楽しく過ごす人々を目前にして、話したり、買い物したり、接触しているウチに日一日と感化されて、自分が変わったよ。この格好だって、せいぜい1,2日でもうなんとも思わなくなった。


Key Westまで片道205マイル(約330km)を往復運転。(国際運転免許証を持参)

これも楽しかった。マイアミの街を抜けて、カリブ海の洋上を延々と連なるセブンマイルブリッジの橋を、ハーレーダビッドソンのタンデムで走り行く二人の金髪が、風になびいてとても美しかったよ。

文豪ヘミングウェイが住んでいた家やキューバに近い海岸とか、機関車を模した乗り物で一周した。コンクトレインとか言ったっけか。

<ヘミングウェイが住んでいた家(今は博物館)の庭>

この門前で記念の写真を撮ったら、(知らない)女性がいつの間にかオレの隣に立っていてポーズしてたのが、出来上がった写真で、are~,この方誰?って、オレの知り合い?と騒いだっけ。

そのほかいろんな経験をしてきた。マイアミ沖で釣り船によるフィッシング(でかいの2匹釣り上げた、でも、全く旨くなかった)、自転車であちこち出かけたり、映画館の1ドルdayで、ロビン・ウィリアムズの「ミセス・ダウト Mrs. Doubtfire」を観て笑ったり、夜間、住まいのコミュニティ内にある照明付温水プールで泳いでいたら、椰子の実が、近くに落ちてビックリしたり、衣料品店や本屋で買い物をしたり、一日歩いても歩ききれないほどでっかいショッピングモールで、サングラスやカウボーイハットを買ったり、スポーツ店で売っているピストルなどを見て、その安いことにビックリしたり、とにかく今でも印象深い。

車のナンバーは前後で1枚で良いとか、夕立の際はライトオンとか、スクールバスがストップしていたら、子どもの飛び出しを予想して追い越してはいけないとか、右折の場合は前の信号が赤でも右折して良いとか、湿気が多いからエアコンは24H稼働させて置く方が良いとか、めったにない(ほとんどがフリーウェイだもの)有料道路の運転もして、25セントコイン4枚を、通過するとき網の中に投げ入れるとか、いろんな習慣や決まり・交通法規なども教えて貰って、非常に面白かった。

住宅地には水路が縦横に走って、駐車場ならぬボートハウスがあり、水路から上げて格納する装置なども見えて、真っ青な芝生の庭と素敵な住宅が、(魚釣りの帰りに)見えて羨ましかった。小学生くらいの男の子どもがライフジャケットとパンツだけを身につけ、大きなエンジン2つあるパワーボートで、その水路を同じくらいの女の子を脇に乗せて、すごいスピードで走り抜けてゆく姿を、コンドミニアムだかの大きな建物のベランダから、高齢者が椅子に座って眺めている姿も見えて、ウワー、ナンジャココハって、こういう世界もあるんだなって目ん玉飛び出しそうになったよ。

思うことは一杯あったね。羨ましいなんて通り越しちゃったよ。


「かわいい子には旅をさせろ」と言うが、本当にそうだね。ある意味、成長するよ。

見聞を広げることは、成長の肥やしになると思いまっせ。

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旧山郷中学校、現高郷中学校の33回生が集うHPです。 昭和の激動を生き、平成、令和を穏やかに過ごしている仲間たちが、素になり子供に返って楽しく過ごせるひととき。 そのような小さな場を、懐かしく思える場を、提供出来れば、と思います。

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